ケトジェニックダイエットと並んで、最近ファスティングダイエットという言葉を聞くことが増えてきました。
ケトジェニックとファスティングどちらが効果的に痩せられる?
こんな疑問を持つ方もいると思います。
ケトジェニックダイエットは糖質を減らし、良質な脂質、タンパク質をしっかり摂るという考えで行うダイエットです。
一方でファスティングは断食と言われることからも分かる通り、期間は様々ですが一定時間食事を摂らないダイエット法となります。
一見、全く違うダイエット法ですが、どちらも食生活を改善することでダイエットを行うという考え方は一致しています。
実はケトジェニックとファスティングはとても相性がよく、相乗効果を狙えばダイエットの効果は格段に上がります。
私自身もケトジェニック✕ファスティングを取り入れ効果を実感しています
本記事では以下の内容について実体験をもとに解説します。
・ケトジェニック✕ファスティングが効果的な理由
・ケトジェニック✕ファスティングを取り入れる際の注意点
ケトジェニックダイエットやファスティングについて気になっている方は参考にしてみて下さい。
<プロフィール>
管理栄養士
総合病院、クリニック、介護施設などで栄養指導の経験を積み独立。
現在は主に企業向けの栄養指導を実施。
これまで約2,000名に対し、栄養指導を行いダイエットや食生活改善をサポート。
自身でもケトジェニックダイエットを実践し効果を実感。
ケトジェニックダイエットの素晴らしさを布教中。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください
ケトジェニックダイエットとファスティングの違い
ケトジェニックダイエットとファスティングは、共に食生活を改善することで体重を減らしていく食事に重点をおいたダイエット法という点に共通点があります。
食生活改善を目的に取り入れる方も沢山います。
一方でケトジェニックダイエットとファスティングは食事に対するアプローチが次のように異なっています。
ケトジェニックの食事に対するアプローチ
ケトジェニックダイエットでは現代人の食生活は「糖質を摂りすぎ、脂質とタンパク質が不足している」事が肥満の原因となっているという考えを元に、以下のような方法で食事を取ります。
- 糖質を極力減らす
- 上質な脂質(オメガ3脂肪酸・中鎖脂肪酸など)の摂取量を増やす
- タンパク質の摂取量を増やす
このような食事法により、体脂肪をエネルギー元として消費する「ケトン体回路」が回りだし体重を減らす事が出来ます。詳しくはこちらの記事を御覧ください。
ファスティグの食事に対するアプローチ
ファスティングでは、食べたものを消化する間は排出が滞り、カラダに不調をおこす原因となっていると考えます。
そして、不調を起こすカラダに残った排出物を取り除くために消化器官を休め、排出を促します。
- 一定の期間、食事の摂取を止め内臓を休ませる
- カラダに溜まった老廃物を排出する
食事の摂取を止める期間は16時間から3日程度が一般的です。3日より長く行う場合には、専門家の指導の元、行って下さい。
ファスティングはダイエット法というよりは食事療法です
ファスティングは食べないことで痩せるあまり健康的とは言えないダイエットと勘違いされますが、実際には内臓を休め、カラダに溜まった毒素を排出する食事療法です。
また、ファスティングを行うことでオートファジーの動きを活発にさせる効果が期待できます。
オートファジーとは、ギリシャ語の「ファジー(食べる)」に「オート(自ら)」を組み合わせた造語で、細胞内のたんぱく質などから余計なものを取り除いて生まれ変わらせる仕組み。
オートファジーによって老化の抑制を図るなどの効果も期待されている。
2016年にその研究がノーベル生理学・医学賞を受賞した。
オートファジー-ノーベル賞を受賞した大隅栄誉教授の研究とは
ケトジェニックとファスティングの相乗効果
ケトジェニックダイエットとファスティングはそれぞれメリットの多い食事法ですが、組み合わせることで相乗効果が得られます。
効果の高まる食材についてはこちらの記事で紹介しています。
- 「ケトン体回路」が回りやすくなる
- 消化器官を休ませる事が出来る
- 血糖値スパイクが起こりにくい
- オートファジーの活動が活発になる
「ケトン体回路」が回りやすくなる
ケトジェニックダイエットでは糖質を制限することで、「ケトン体回路」を回し体脂肪を燃焼させるダイエット法です。
また、ファスティングについても一定期間カラダに糖質が入って来なくなるため「ケトン体回路」が回りだし易くなります。
ケトジェニックダイエットの場合は、約1~2週間ほど食事制限を行うことで「ケトン体回路」が回り出します。
しかし、ファスティングを組み合わせることで「ケトン体回路」に入るまでの期間を短縮する事が期待できます。
消化器官を休ませる事が出来る
一日3食の場合、食べたものを消化する前にご飯を食べる事になってしまい、消化しきれない食べ物がカラダの中に蓄積し腐敗してしまいます。
そして、蓄積した食べ物を消化するために消化器官は常に稼働することとなり休むことが出来ません。
ファスティングにより食事の間隔を開けることで、消化器官をしっかり休ませる事が出来ます。
また、カラダに蓄積した食べ物のカスをカラダの外に排出する事が出来ます。
血糖値スパイクが起こりにくい
ファスティング後は、空腹状態で食べ物を摂取することになるため、糖質を多く含むご飯を食べてしまうと血糖値スパイクが起こってしまう可能性があります。
ファスティング後の食事をケトジェニック食にすることで糖質を抑える事が出来るため、血糖値スパイクを起こさず食事を摂ることが可能となります。
血糖値スパイクについてはこちらの記事で解説しています。
オートファジーの活動が活発になる
オートファジーは古く壊れてしまった細胞を作り直し再生させる仕組みで、老化防止など様々な効果が期待されています。
カラダに脂肪を蓄積させず「ケトン体回路」が回りやすくなる効果も期待出来ます。
オートファジーは空腹の時間を積極的に作り、カラダを飢餓状態にすることで活性化します。
一般には、食後16時間ほど経過した後よりカラダの中のオートファジーが働き出すと言われています。
そのため、16時間~3日程度のファスティングを取り入れ、意識的にカラダを飢餓状態にすることがオートファジーの活性化には効果的です。
ケトジェニック✕ファスティングの食事例
ケトジェニックダイエットにもファスティングにも厳しいルールからちょっと緩めのルールまで様々なやり方があります。
ここでは、私が1週間単位で行っているケトジェニックダイエットにファスティングを取り入れた食事例を紹介します。
血糖値スパイクを避けるため、ファスティング明けの食事は糖質量を抑えることを心がけて下さい。
- 1日ファスティングを行う。
- 夕食を摂れば24時間ファステイング、翌日まで食事を抜けば32時間~36時間ファスティングとなります。
- 夕食を摂る場合、ファスティング開けの食事は糖質を出来るだけ抑えるます。(糖質量を20g程度を目標)
- ファスティング期間中も白湯と梅干しは口にしてもOK。
ちなみに日曜日の夜に糖質を摂りすぎるとこの日のファスティングがちょっと辛くなります。※実体験デスσ(^_^;)
- 前日の夕食を抜いた場合、以下のパターンがあります。
◎朝食を摂る→32時間ファスティング
◎朝食を抜き昼食から摂る→36時間ファステイング - 前日の夕食を摂った場合、朝食を抜き16時間ファスティングを行います。
- 一日の糖質の摂取量を60g~100g程度に抑えます。
- 朝食を抜き16時間ファスティングを行います。
- 一日の糖質の摂取量を60g~100g程度に抑えます。
火曜日~土曜日の食事はケトジェニックダイエット後の維持期間のものを参考に、糖質を抑えて上質な脂質&タンパク質をしっかり摂る食事を心がけます。
- ファスティングはお休み。
- 糖質は1日100g~120g程度に抑えた食事を行う。
糖質量は普段より若干多めに摂ってもOK
ファスティングを行う際に、慣れていない方だと腹が空いて耐えられない場合があります。
そんな時、MCTオイルやイヌリン等のケトジェニック食材は空腹を紛らすのに効果があります。
ケトジェニック食材についてはこちらの記事で紹介しています。
まとめ
ケトジェニックとファスティングを組み合わせることで、それぞれの食事法のメリットが得られます。
- 「ケトン体回路」が回りやすくなる
- 消化器官を休ませる事が出来る
- 血糖値スパイクが起こりにくい
- オートファジーの活動が活発になる
実体験として『緩めのケトジェニックダイエット』と『16時間~36時間程度のファスティング』を組み合わせる方法は、あまり負担を感じず、かつ効果的に体重を減らす方法と感じています。
人のカラダは千差万別です。
ケトジェニックダイエットとファスティングの組み合わせについても合う人と合わない人はいると思います。
しかし、これまで様々な食事法を試したが効果が出ていない、現在行っているダイエットに行き詰まっている等の方であればチャレンジして見る価値は十分にあります。
実際私も紹介した方法でダイエットの効果がアップしています。
本記事が皆さんのダイエットや食生活改善の参考になれば幸いです。
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