検証の目的
空腹時に炭水化物を摂ると太るの?
イヌリンって糖質の吸収を抑えるって聞いたけど本当?
空腹時の炭水化物摂取が体重増加につながるのか、そして糖質の吸収を抑制するイヌリンの効果はどの程度なのか、これらの疑問に答えるための検証を行いました。
以下では、私の実体験に基づいた検証方法と結果を共有します。
イヌリンについてはイヌリン摂取方法の記事で詳しく解説しています。
\ スグに結果が知りたい方はこちら /
<プロフィール>
管理栄養士
総合病院、クリニック、介護施設などで栄養指導の経験を積み独立。
現在は主に企業向けの栄養指導を実施。
これまで約2,000名に対し、栄養指導を行いダイエットや食生活改善をサポート。
自身でもケトジェニックダイエットを実践し効果を実感。
ケトジェニックダイエットの素晴らしさを布教中。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください
検証方法
私自身が4種類の朝食メニューを摂取し、それぞれ食後の血糖値をモニタリングしました。
- おはぎ(80g)とほうじ茶
- おはぎ(80g)とほうじ茶[イヌリン(5g)を溶かす]
- ソイジョイ(ホワイトチョコ&レモン)とほうじ茶
- ソイジョイ(ホワイトチョコ&レモン)とほうじ茶[イヌリン(5g)を溶かす]
各メニューの栄養成分は以下の通りです。
おはぎ(80g) | ソイジョイ (ホワイトチョコ&レモン) | |
---|---|---|
カロリー | 214kcal | 129kcal |
糖質 | 42.2g | 5.7g |
食物繊維 | 3.8g | 2.7g |
タンパク質 | 5.5g | 6.0g |
脂質 | 8.7g |
参考までに、今回利用したおはぎの糖質量はこのくらいです。
・ご飯なら茶碗2/3杯程度
・パンなら6枚切りを1.5枚程度
とりわけ多いという訳ではありません。
検証結果
おはぎを食べた❶、❷のケースでは血糖値スパイクが起こっています。
ソイジョイを食べた❸、❹のケースでは血糖値スパイクの現象はありませんでした。
❶~❹毎に食後血糖値の変化と体調の変化を解説します。
❶おはぎ(80g)とほうじ茶
◆食べたもの
○おはぎ[80g]
○ほうじ茶
◆朝食時間
08:30
◆朝食時間の血糖値
80mg/dL
◆最大血糖値
195mg/dL
◆朝食からの経過時間
1時間30分
◆血糖値の上昇幅
115mg/dL
- 血糖値上昇幅は約115mg/dL。短時間で急激に上昇し、急降下している。(=血糖値スパイクの状態)
- 血糖値が急降下した11:00頃に空腹感と眠気あり。
❷おはぎ(80g)とほうじ茶[イヌリン(5g)]
◆食べたもの
○おはぎ[80g]
○ほうじ茶 (イヌリン[5g]を溶かす)
◆朝食時間
07:00
◆朝食時間の血糖値
90mg/dL
◆最大血糖値
170mg/dL
◆朝食からの経過時間
1時間30分
◆血糖値の上昇幅
80mg/dL
- 血糖値の上昇幅は80mg/dL。血糖値スパイクは起こっているが、❶にくらべ最大値、上昇幅共に改善した。
イヌリンによる糖吸収の効果と考えられる。 - 血糖値が急降下した11:00前には空腹感あり。
- この日は眠気は感じなかった。
❸ソイジョイ(ホワイトチョコ&レモン)とほうじ茶
◆食べたもの
○ソイジョイ
○ほうじ茶
◆朝食時間
07:30
◆朝食時間の血糖値
85mg/dL
◆最大血糖値
125mg/dL
◆朝食からの経過時間
1時間30分
◆血糖値の上昇幅
40mg/dL
- 血糖値の上昇幅は40mg/dL。血糖値の上昇、下降ともに緩やかに推移。
- おはぎに比べカロリーは低いが昼食までに空腹、眠気を感じることはなかった。
❹ソイジョイ(ホワイトチョコ&レモン)とほうじ茶[イヌリン(5g)]
◆食べたもの
○ソイジョイ
○ほうじ茶(イヌリン[5g]を溶かす)
◆朝食時間
07:30
◆朝食時間の血糖値
85mg/dL
◆最大血糖値
115mg/dL
◆朝食からの経過時間
1時間30分
◆血糖値の上昇幅
30mg/dL
- 血糖値の上昇幅は30mg/dL。血糖値の上昇、下降ともに緩やかに推移。
血糖値の上昇幅は❸よりさらに抑えられた。イヌリンによる糖吸収の効果と考えられる。 - 昼食までに空腹、眠気を感じることはなかった。
まとめ
今回の検証では次のような事がわかりました。
- 空腹時に炭水化物を摂取する事で血糖値スパイクが発生した。
- 炭水化物を摂取する前にイヌリンを摂る事でリスクは軽減する。
血糖値スパイク発生のリスクを下げるのに、下記の方法は検証した結果からも有効といえます。
実は検証前までは、もう少し極端な炭水化物摂取をしないと血糖値スパイクは発生しないと考えていました。しかし実際には比較的少ない炭水化物量でも発生する事がわかりました。
血糖値スパイクはダイエットにとって大敵となるだけでなく、生活習慣病にかかるリスクも高めてしまいます。
食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病を発症したり予備群である疑いがあり動脈硬化の危険因子としても重要で、放置しておくと血管障害が進み脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。
e-ヘルスネット(厚生労働省)
健康的にダイエットを行う上でも炭水化物の食べ方については気をつける必要があるのを改めて感じる検証となりました。
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